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 松本市 岡田神社参道のケヤキ  

  • 松本市指定天然記念物

樹勢診断の一部 総合診断をご紹介します。




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  • 周辺環境の影響
    • 当樹は松本市岡田地区、岡田神社参道付近に位置し、S62/4/14 、松本市天然記念物に指定されている。(ケヤキ2本)
    • 県道惣社岡田線の一角、南側北側を道路とし岡田神社旧参道、中央の植樹帯に生育している。樹木生育環境は悪く、2本とも樹勢は著しく衰えている。
    • 旧参道中央植樹帯には鳥居とともにアカマツが残っている。

  • 根系・根元土壌の状況
    • 根元付近の調査には精査を要する。
    • 危険度判定では根返りの可能性も高く、根株腐朽の程度を推測し、尚且つ根系基盤の調査を必要とする。
    • 周辺土壌の調査についても、今後当樹木の樹勢回復を図る上で必要と思われる。

  • 大枝・幹の状況
    • 北ケヤキ西に伸びる大枝に幹腐朽が見られる、空洞率も高く、枝折れの危険性は大である。
    • 北ケヤキ・南ケヤキともに木材腐朽については激害であり、枯損大枝の切除、枝折れの危険が高い枝の切除など処方を要す。

  • 樹冠・枝葉の状況
    • 老木であり枝葉(冬芽)の大きさは全体的に小さく、密度も少ない。(着葉量の減少及び葉の小葉化)
    • 北ケヤキにホザキノヤドギリ(落葉小低木)が着生する。(資料1)
    • 樹木の幹に着生する半寄生の常緑または落葉の低木である。
      発生原因は鳥でありこの実を鳥が好んで食す、種子の周りには粘液層性あり、鳥が食した種子が肛門に粘着し、その種子を取り除くため枝上で肛門をぬぐい、そこに種子を附着させる。粘液で他物に付着する。
    • その皮部又は傷口などより発根して新植物体となる。また糞塊に交じった種子が枝上に落ちそこから発芽するものもある。
    • 葉に葉緑素あり自ら生存する力あると共に他の寄主より栄養をとっている。
    • クサビ状の根は寄主側の成長を上手に利用して合着、一部は通道組織まで入り込み水を供給している。(資料1)

  • その他
    • 北ケヤキ空洞内に若木の更新木がみられる。

  • 考察・総合判定
    • 外観からの地上部衰退度判定を行ったが、腐朽部激害、ヤドリギの着生、枯損大枝幹など目立ち衰退度区分は(Ⅳ~Ⅴ)著しく不良から枯死寸前であり、尚衰退が進行していると思われる。
    • 幹の空洞率も高いと思われ樹木危険度診断指針のt(健全部)/R(幹半径)比<0.3=幹半径の70%を超える可能性もある。(精査必要)
    • 周辺環境、交通障害、倒木危険度、樹勢等考慮すれば樹木更新も考えられるが、市天然記念物であり、郷土の誇る貴重木でもあるが故、より一層の処置、保全等が必要である
    • 当面、危険度を有意に低く、また交通障害を取り除く処置(短縮法)を行い、樹勢回復処置などその保全処置、処方等により、衰退を減じ樹勢を保つことが必要と思われる。